コラム



5分で読める睡眠専門医のはなし


professional_interview 寝るはチカラだ

第1回 睡眠改善のためにこれだけはやりたい。
良眠の心得・4か条

疲れているのになかなか眠れない、夜中に起きてしまうといったことを自覚したことはありませんか?
日本は世界の先進国のなかでも飛び抜けて睡眠時間が少ないとされる不眠大国ですが、就労世代の4人に1人がなんらかの睡眠障害を抱えているといわれています。

5分で読める睡眠専門家の睡眠のはなし

寝ないとダメ?ヒトが睡眠から得ていること

睡眠がとれていないと感じる一方で、睡眠時間がもったいないと考える方もいるでしょう。覚醒と睡眠は対になるもので、ヒトが生きていくためにはなくてはならない大切な時間です。
睡眠の時間に脳を休め、体をやすめることで、日中、活発に動きまわることができ、頭をフル回転させて日常生活をおくることができます。 また、睡眠が改善されることでホルモンバランスが整い、肥満を防いだり、お肌の調子を整えたり、免疫力を高めることができるのです。生活習慣病の予防、ひいては心筋梗塞や脳卒中などの病気を防ぐことにもつながります。


なぜ睡眠がずれやすいのか?

睡眠が必要な時間であることは一目瞭然にもかかわらず、睡眠障害が起きやすくなる原因にはヒトの体内リズムが関係しています。真っ暗な部屋で好きな時間に寝起きを繰り返していくと毎日少しずつ寝る時間が遅くなっていくことが報告されており、人間の体内時計は24時間よりも若干長いことがわかっています。体内リズムをコントロールすることが良質な睡眠を得るためのヒントなのです。


絶対におさえておきたい良眠のポイント

夜眠れない、昼間眠くて困るという訴えで睡眠の外来に来られる方がたくさんいますが、まず行うことは「睡眠衛生指導」とよばれる生活習慣のなかで気をつけるべきこと・改善すべきことをお伝えします。

1.寝る前のパソコン作業、スマホはしない

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夜にむけてメラトニンというホルモンが身体の中に増えることで脳を眠りに導きます。
しかし、寝る直前までのパソコン作業、布団の中でスマホなどの光をあびることで、メラトニンが減ってしまい寝つきが悪くなってしまうのです。
デジタル画面をみたり、明るい場所にいくのは寝る2時間前までにしましょう。寝る前の部屋の明かりは本を読むことができるホテルの薄明かりくらいが最適です。



2.カフェインを取らない

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カフェインが目を覚ますのに効くのをしっている方もおおいと思います。眠りにとっては妨げとなるのがカフェインです。眠りにつきにくくなり、浅い睡眠となることから睡眠の質もわるく途中で起きてしまうもとになります。

カフェインと聞くとコーヒーを連想するかもしれませんが、そのほかにも紅茶や緑茶、栄養ドリンクなどにも多く含まれているので気をつけてください。午前中や昼寝前にとるカフェインは覚醒のため身体に効果的ですが、寝る4時間前からは避けることをおすすめします。



3.寝酒はしない

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眠れないから寝酒をする、という方もいるのではないでしょうか。良好な睡眠のためには寝酒はNGです。たしかに、飲み会では必ず寝てしまうひとがいるように、アルコールには一時的に眠気をおこす作用があります。

しかし、酔った状態で眠りに入ると、眠りはとても浅く、結局は夜中に起きてしまうことになります。さらに利尿作用もあるためお酒をのんでねると必ずといっていいほどトイレに起きることになるでしょう。

また、お酒を飲んでも寝たときにはイビキがひどくなるのを経験したひともあるかと思いますが、アルコールにより息も浅くなり、ますます眠りは浅くなってしまいます。

個人差はかなり大きいですが、適量とよばれるアルコール20g(ビール500ml、日本酒1合、ワイン1.5杯)の酔いが覚めるのに2―3時間程度は必要です。酔いが覚めてから就寝することをこころがけてください。



4.朝起きたら光を浴びる、朝食をとる!

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体内時計をリセットするためには朝起きることが重要です。夜眠れなかったから朝遅くまで布団のなかにいるというのは体内リズムを整えるのには逆効果、ズルズルと夜型になり起きられなくなってしまいます。良質な睡眠を得るためには朝、体内時計をリセットすることから始まるのです。
体内時計をリセットするには朝の光を浴びること、朝ごはんを食べることです。カーテンをあけ光をあびることで脳が覚醒して1日がはじまります。



まとめ

おそらく、なんとなく知っていて今さら、という内容だったり、ネットで調べてちょっとやってみたけど全然効果がなかったという方もいるかもしれません。

睡眠衛生指導は即効性はありませんが確実に効果のある方法です。2週間以上続けることで効果がみえてくる方法ですので、まずは2週間、生活の中にとりいれてみてください。あわせて睡眠日誌、睡眠アプリなどを使うと効果的です。

ここであげた他にも良好な睡眠を得るために気をつけられることはありますが、いっぺんにやろうとするとうまくいかないかもしれません。まずはおさえておきたい4か条、ぜひためしてみてください。

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木村 眞樹子プロフィール
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。
妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

木村 眞樹子プロフィール

木村 眞樹子プロフィール
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。
妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。