コラム
第2回:脱・根性論的コンディショニング
〜アスリートのコンディショニング実態を解明せよ〜
コンディションを維持するための時間管理術(後編)
朝起きて身体のコンディションが良くないとき、読者の皆さんはどうしているだろうか。ビジネスパーソンなら、「会社や仲間に迷惑をかけられないし、これくらいで休んでいられない」と自らに発破をかけて仕事に向かった経験は、1度や2度じゃないだろう。だが、コンディションの良し悪しは、日々の生活習慣に影響を受けているはず。そう考えた我々ナステント編集部は、パフォーマンスを高めるためにコンディション管理を行うトップアスリートたちの実態を取材してみることにした。
コンディションを維持するための時間管理術(後編)
トップアスリートたちは、試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、日々を過ごしている。身体ケアはもちろんのこと、食事の取り方や、入浴法、そして睡眠に至るまで、その緻密なコンディショニング設計とプロフェッショナルな姿勢には、畏敬の念を覚えるほどだ。
そんなトップアスリートたちのコンディショニング実態を解明するこの企画。2回目となる今回は、J3・いわてグルージャ盛岡に所属する深井脩平選手。前編では、東北地方の厳しい環境でのコンディショニングの話を聞いた。後編では、深井選手が大切にしている時間管理術について、話をうかがう。
常にコンディションを保つために、どのような工夫をされているのでしょうか?
規則正しい生活をするという当たり前のことを徹底しています。日々の生活では、食事、マッサージ器具を使ったセルフケア、そして睡眠。この3つは必ず毎日行うものなので、時間を決めて行うようにしています。また、試合の2日前と、試合の2日後の週2回、専門のトレーナーの方に身体をみてもらい、さらに、週1回メンタルコーチに入ってもらい、心と身体のバランスを整えるようにしています。
時間管理はどのように行なっていますか?
日々の時間管理は、睡眠を起点に逆算しています。いつも23時にベッドに入るようにしているので、そこから逆算し20時までには食事を摂り終えること、そのあと入浴して身体を温め、寝る前にマッサージやストレッチをするようにしています。
睡眠を起点に、普段の生活のリズムを作っているんですね。
はい。身体には体内時計があると言いますが、いつもと違うリズムの生活をすると調子にバラツキが出てしまうので、日々を感覚的に過ごすのではなく、しっかり時間を管理して過ごすようにしています。
とはいえ、長いシーズンの中では、コンディションが整わない日もあると思います。それはどんなときなのでしょうか?
特に、うまく寝つけないと、翌朝に疲労が抜けきれていないなと感じることがあります。また、僕はいびきをかくので、合宿などで2人部屋になるときは気を使って眠れないこともあり、睡眠には悩まされています。
睡眠で工夫されていることはありますか?
できるだけ眠りにつきやすい環境を整えたいので、光に対しては2つの工夫をしています。1つ目は、遮光カーテンを使い、さらにカーテンの隙間から月明かりが入ってこないようにきっちり締めてから寝るようにしています。もう1つは、強い明かりを目に入れないこと。一番気をつけているのはスマートフォンの明かりの設定を変えて、夜は画面が光らないようにしています。またコンビニなどのお店の明かりも強いと言われているので、夜には買い物に行かないようにしています。
今シーズンは、Jリーグも開催のめどが立たず、コンディション維持が大変ですね。
そうですね。今シーズンからは監督が秋田豊さんに変わり、日々の練習もこれまで以上にハードになりましたので、しっかり食べてよく睡眠をとるようにしています。開催のめどが立たない状況ですが、開幕したときに、良い状態で挑んで、地元のサポーターに喜んでもらえるようにしたいと思います。
取材・文・写真:瀬川泰祐(編集者・スポーツライター)
瀬川泰祐プロフィール
株式会社カタル代表取締役。社会派のスポーツライターとして、東洋経済オンライン、ITメディア、OCEANS、スポルディーバなどで執筆中。アスリートライブ編集長、ファルカオフットボールクラブアドバイザー。最近の取材テーマは「Beyond Sports」。社会の接点からスポーツの価値を探る。興行ビジネス歴20年。http://segawa.kataru.jp
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