コラム

はじめてセットはこちら
スタッフコラム

肥満だといびきになりやすい?肥満といびきの関係、ダイエットの目安と方法

太り出したらいびきがひどくなってきた

こんにちは、スタッフのJです。

さて、前々回、6年前に自分のいびきの音で目が覚めてからいびきの治療を始めた、というお話をしました。 なんで6年前なんだろう、と思い返してみると、ちょうど私が転職をして、(プライベートな話で恐縮ですが)近くの行きつけの中華料理屋のボリュームがすごくて、食べる量が増えた時期なのでした。

私の体重は、社会人1年目で60kg、社会人4年目で66kgになってから数年間、±2kgで推移していました。
それが2017年の終わりごろから70kgの大台に突入し、コロナになってからはもう戻らない体になってしまいました。

もしかすると、太り出した時期といびきに気づいた時期に関係あるかも、と思って調べてみました。

肥満といびきには密接な関係がある

スタッフコラムの第1回「気になるいびきの治し方」にもあるように、いびきを引き起こす10大原因のひとつに「肥満」が挙げられています。

また、ナステントのアドバイザリーボードメンバーでもある佐藤誠先生の研究においても、新潟県内で行ったPSG検査(睡眠時無呼吸かどうかを判定するための検査)において、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)だった患者(n=8,857)の平均BMIは26.1±1.5kg/㎡、一方OSAでなかった患者(n=1,319)の平均BMIは22.7±1.4kg/㎡で、OSA患者は非OSA患者よりも平均BMIが明らかに高かったことが報告されています(※)。

(※)佐藤誠:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疫学(〔日内会誌 109:1059~1065,2020〕〕
(本論文の主旨は「非肥満の人でもOSAの患者は多い」ことであって、抜き出していることと逆のことを言っています。
なお、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、いびきがひどくなって起こると言われているので、この傾向はいびきにも当てはまると言えます。)

なぜ肥満だといびきを引き起こしやすいの?

では、なぜ肥満だといびきを引き起こしやすいのでしょうか?

下の図にあるように、いびきを引き起こす箇所は大きく3か所あります。
(1)軟口蓋が落ち込む、(2)太ることで気道の内側に脂肪がつく、(3)舌の筋肉がゆるみ舌が喉の奥に落ち込む、です。
これだけ見ると、(2)だけが肥満によって引き起こされているようですが、じつは軟口蓋にも脂肪がついて気道が狭くなったり、首周りに脂肪がつくことで舌が喉の奥の方に押しだされるので、肥満は(1)にも(3)にも関係していることになります。

いびきをかく仕組みを説明する図

いびきは寝ている最中に空気の通り道である上気道が狭くなることで起こります。

どれくらい太っているといびきをかきやすいの?

肥満がいびきを引き起こす仕組みはなんとなくわかったのですが、それではどれくらい太っているとどれくらいいびきをかきやすくなるのでしょうか?

目安は、先ほどもちょっと出てきた「BMI」という指標で測ることが多いようです。

BMIは下記の式で求められます。

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

私の場合、170㎝、70kgなので、70÷1.7÷1.7=24.2です。

日本肥満学会では、肥満度を下記のように分類しています(※)。

(※)日本肥満学会 肥満度分類表

肥満度の分類

論文によって結果には若干幅があるものの、いびきを持つ人のうち睡眠時無呼吸症候群が認められる人は約30%とのこと。

その上で、
・中等症以上の睡眠時無呼吸症候群(AHI15以上)は、肥満(2度)(BMI30以上)の4人に1人、肥満(4度)(BMI40以上)の3人に1人に認められた。
・軽症以上の睡眠時無呼吸症候群(AHI5以上)は、肥満(2度)(BMI30以上)の60%、肥満(4度)(BMI40以上)の98%に認められた。


とのことです。
ざっといびきをかく人は睡眠時無呼吸症候群の3倍いると仮定すると、じつに肥満(2度)(BMI30以上)で4人に3人、肥満(4度)(BMI40以上)だとほぼ全員いびきをかいている、ということになりますね(さすがにちょっと乱暴かもしれませんが)。

このように、肥満(2度)(BMI30以上)になるとかなりの確率でいびきをかく可能性が高く(閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)になる可能性も高い)、肥満度が高くなればなるほどいびきをかく可能性が高いことがわかります。

ちなみに、

肥満(2度)(BMI30以上)は、身長170㎝であれば86.7kg、身長160㎝であれば76.8kgです。
肥満(4度)(BMI40以上)は、身長170㎝であれば115.6kg、身長160㎝であれば102.4kgです。

ひとつの目安としてご参考にしていただければ幸いです。

どれくらいダイエットするといびきは改善する?

さて、これまで見た通り、肥満といびきには密接な関係があることがわかりました。じゃあ、ダイエットすればいびきは改善するのでしょうか?そして、どこまでダイエットすればいいのでしょうか?

はじめに断っておかなければならないのは、いびきの原因は肥満「だけ」ではないので、いびきの原因が違うところにある人は痩せたからといっていびきが治るわけではないということです。また、もともとやせ型でいびきをかく方の場合、それより痩せてもいびきが改善することは期待できないと思われます。

その上で、もう一度問いを設定してみます:肥満がいびきの一番の因子だと仮定して、どこまでダイエットすればいいのでしょうか?

これ!というガイドラインはないようですが、いくつかの研究結果があります。
Wisconsin Sleep Cohort study(WSCS)によれば,10%の体重増加で閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の重症度は32%増加し,10%の体重減少でOSAは26%減少したとのことです。また、別の調査では、体重が10kg増えるとOSAになる確率は2倍になるとのこと。

日本肥満学会では、合併症のある肥満の方を「肥満症」と呼び、肥満(1度)および肥満(2度)(BMIが25以上35未満)の方は現体重の3%以上の減量、肥満(3度)以上(BMIが35以上)の方は、合併する健康障害に準じて現体重の5~10%の減量を目指すと良い、としているようです。(※)

(※)あなたの肥満、治療が必要な「肥満症」かも!?

少しボヤんとしていますが、BMIが25~35であれば体重の3%以上、BMIが35以上であれば体重の5~10%の減量を目指す、というのが一つの目標値としてよさそうです。

どうやってダイエットするといいの?

問題はここから。ではダイエットすればいいことは分かったけど、どうすりゃいいの?というところ。BMIが30で身長170㎝の場合、元の体重が86.7kg、そこから5%の減量を目指すとするとざっと4.3kg。

先ほどの日本肥満学会のサイトにもあるように、基本的に運動だけでは無理のようで、食事制限とセットでやることが大切のようです。BMIが35以上の方の場合は、必要に応じて薬物療法を組み合わせているようです。

いびきで悩んでいた私の先輩も、ちょっと前にダイエットに取り組み、その模様をサイトに掲載しているのでよろしければご覧ください。

40代が痩せるためのリアルなダイエット方法<食事の見直しと運動>

面白いのは、減量を目指す際に大切なこととして「十分な睡眠をとること」が挙げられている点。

そういう観点からも、いびきを改善する医療機器「ナステント」はお役に立てそうです。

私といえば、、、30代の時に一度運動で痩せようとしてジムに通ってコロナになってやめて以来、どうしても食事の誘惑に勝てず、始められていません。
なんとか記事にすべく、頑張ってみたいと思います!

▼ナステントをこれから始めようと思っている方におすすめのスタートパック!

はじめてナステントはこちら

▼ナステントをフィッティングできる医療機関はこちら