コラム

睡眠にまつわる本

●著者:成井 浩司
●新書: 192ページ
●出版社: 講談社
●発売日:2007/7/20

vol.04 意外と怖い睡眠時無呼吸症候群(後編)

4章 睡眠時無呼吸症候群は病気です

SASは、治療を受けることで確実に改善される病気です。現在主流となっているCPAP治療では、つけたその日から確実に熟睡が得られますし、翌日から眠気や集中力の低下がなくなります。

【一般的な診察の流れ】
問診・スクリーニング→基本的な検査(自宅検査・簡易検査)→確定検査(入院検査・ポリソムノグラフィ(PSG)検査)→治療法の決定→治療(CPAPなど)

CPAP治療が有効とされるのは、無呼吸・低呼吸指数(AHI:睡眠中1時間当たりの無呼吸と低呼吸の平均回数:10秒以上の呼吸気流の停止)が20以上のケースです。この場合、保険がきくので、月々約4,500円前後の自己負担でこの治療を受けることができます。なおCPAP装置の貸し出しには、毎月の外来受診が義務付けられています。ただしAHIが20未満でも、居眠りなどの自覚症状がある、すでに高血圧、脳血管障害、虚血性心疾患などの症状がみられる場合は治療の対象となります。

CPAP治療によってSASの症状は改善されますが、完全に治るわけではありません。使用をやめてしまえば、もとの状態に戻ってしまいます。CPAPはあくまで対症療法であり、根本的にSASを治すものではないので、正しい使用方法による治療の継続が必要です。症状の経過観察のために月に一度は外来受診しなければなりません。経過観察では、CPAPが正しく使ているかどうか、マスクの空気漏れや違和感はないか、合併症の状態チェックや、血圧と体重の測定などがあります。



<感想>
「CPAP治療によってSASの症状は改善されますが、完全に治るわけではありません。使用をやめてしまえば、もとの状態に戻ってしまいます。」まさにここが重要で、現在も対症療法は複数あるものの治療継続が必要なのが、この病気を軽く見てはいけないところだと思います。

気道の閉そく状態を改善する外科的治療
・口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)
・レーザー手術(LAUP)
・マウスピース…下あごを前方に出すと気道が確保されます
・鼻スプレーと鼻腔テープ(軽い鼻づまりや鼻水の解消、鼻腔を広げるテープは軽いいいびきがある人やごく初期の無呼吸の症状がみられる人には効果的な場合もあります
・ダイエット
・睡眠姿勢の改善(ポジションセラピー)…いびきや無呼吸の原因は、あおむけになることで気道が閉じてしまうことです。横向きに寝ることができれば、症状が軽くなったり、場合によっては消えることもあります。ただし中等度から重度のSAS患者にはほとんど効果がありません。

SASの治療にはCPAPをはじめ外科手術、マウスピース、薬物療法、ダイエット、ポジションセラピーなど、様々な方法があります。しかし、どの治療方法を選択し、また自覚できる効果があったとしても、その効果を患者が自分で判断するのは危険です。どんな些細なことでも主治医と相談することです。いずれも主治医にご相談してください。



<感想>

この本が出版された2007年になかった方法の一つとして鼻チューブがあります。睡眠時の上気道を確保する方法で、医療用医療機器(一般医療機器届出番号 13B2X10399000001)です。購入には処方指示書が必要です。


5章 SASの克服でアンチエイジング

成長ホルモンは、脳の下垂体から分泌されるホルモンの一つで、文字通り成長を促すことを主な役割としています。この物質は、私たちの基本的な生体活動である代謝に大きな影響をあたえていることがわかっています。

人体は、深夜の睡眠中に分泌される成長ホルモンによって疲労を回復し、覚醒後の活動に備えるようにプログラムされています。成長ホルモンは一晩に1~2回分泌され、眠りが深いほど一回の分泌量が多くなると言われています。深い眠りとはつまり、ノンレム睡眠のことです。主にその時に成長ホルモンが分泌されているということなのです。

代謝に関する役割とは、「代謝促進」「血糖値上昇」「恒常性の維持」「体脂肪動員の促進」のおおむね4つの作用に分けられます。睡眠不足などによって成長ホルモンのバランスが崩れると、こうした作用が働きにくなり、体や生活に様々な悪影響を及ぼしてしまうのです。

成長ホルモンが不足するすると、資質やたんぱく質、糖質、骨、水分やミネラルなどの代謝が上手くいかず、次のような不快な症状が現れます。

・体脂肪の増加、ぽっちゃりとした肥満
・コレステロール値の上昇
・骨量の減少(骨粗しょう症)
・筋量の低下、運動能力の衰え
・心臓や腎臓の機能低下
・全身倦怠感、疲れやすい
・気力の低下、うつ状態
・性欲の減退
・皮膚がカサカサする
・手足の冷え

睡眠中に成長ホルモンが分泌すされると、それによって肌の細胞が分裂を起こしあたらしい肌がつくあっれます。より深い眠りは、成長ホルモンの分泌を促し、美肌をもたらしてくれるのです。快眠によって老化現象を抑え、肌つやもよく、スリムなボディを保ち、いつも快活で、何事にも前向き、といったようにいつまでも若々しくあることが可能なのです。

<感想>
睡眠の役割と重要性を把握しておきたい章。「寝る子は育つ」はあながち間違いではないのかも…?ただしよく言われる「いびきをかいて寝ている=よく寝ている。熟睡している」ではないことに留意する必要があると思います。

6章 SASにならないために

質の高い睡眠を得るための要素は二種類に分けられます。枕やベッドによってつくられる「寝床内の環境」もう一つは「寝室の環境」です。寝室環境の要素には、室温、湿度、光、音、香りなどがあります。快適な睡眠を得るために最も適した環境とは、冬は15度、夏は25度くらいの室温に、湿度は50%、部屋の明るさはなるべく温かみがあって調節可能な照明でやや暗め(1-30ルクス)。また、外の音が聞こえない工夫も必要です。インテリアも人間が落ち着ける、刺激の少ない色で整えましょう。

<感想>
スナックいびきの3回目でも言っている通り、睡眠の質を高めるために寝室環境を整えることは大切です。しっかり寝ることができれば、翌日から調子がよく感じ、またそれを継続していく必要がある、ということを学びました。あまり必要以上に不安にならず、しっかりと冷静に自分の睡眠状況を見直し、いびき、睡眠時無呼吸症候群に対策を打たなくてはいけないと思います。