コラム

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睡眠にまつわる本


●タイトル:いびき女子、卒業!
●大場 俊彦監修
●単行本(ソフトカバー): 128ページ
●出版社: 主婦の友社 (2017/6/23)
●発売日: 2017/6/23

vol.6 いびき女子、卒業!

いびき対策は究極のアンチエイジング

いびきに関して、マンガで事例を紹介したりとわかりやすく紹介している一冊です。いびきはどうして起こるのか、いびきを放っておくとどのような症状がでてくるのか、どのような対処方法があるのか、お医者さんへの相談は具体的にどうすればいいのか、などなどいびきをかくと湧いてくるさまざまな疑問や不安に対してわかりやすく説明してくれる一冊です。老若男女とわずいびきに悩まれてる人は多いと思います。特に女性に焦点をあてているタイトルですが、男性でもわかりやすく理解できると思います。熟睡できることでQOLが上がることで、人生を楽しむことができることこそ、アンチエイジングであると解きます。



”いびきがいまだデリケートな問題として取り扱われるのは、やはり「人に聞かれると恥ずかしい」ということがあると思います。女性の場合は特にそうだと思われます。不眠は当然ながらつらいものですが、不眠ではないのに快眠が得られないのも大きなストレスになります。しっかりと休息が取れる、熟睡できる喜びは貴重です。仕事の能率も上がり、プライベートも充実するでしょうし、メイクのノリまで違ってきます。きちんと休息が取れるということは、公私の別なくやりたいことが思う存分できて、人生の質(Q・O・L)が上がる、と言えそうです。疲労回復し、気持ちも明るくなるはずです。”

口呼吸はなぜいけないの?

私も悩んでいる口呼吸。子供の頃からずっと悩んでいます。寝るときは昔はマスクをしていました。長い間息ができていればいいじゃないかと開き直っていました。寝ているときも口呼吸しているので、枕はよだれでベトベト、口は乾いて喉が痛いなど嫌なことが多かったです。口臭だけではなく、虫歯や歯周病の可能性があるなんて口呼吸の良いところはあまりないですね…。
この本は知っているようで知らなかった鼻呼吸の役割をわかりやすく教えてくれます。鼻毛って大切だったんですね…。確かにナステントをして口呼吸防止テープをして寝るようになってから、風邪をひかなくなったかも。加温、加湿する鼻腔の役割のおかげで、私の場合だと東京から札幌に行っても息ができているのかなんて大げさに考えてみたりもしました。たしかに肺に入る酸素を適切なコントロールしているのは入り口の鼻の役割であること、40歳を超えてあらためて認識しました。

空気は鼻から気道を通して肺に伝わります。入り口には鼻毛があり、主に大きな異物をブロックする効果があります。鼻は、鼻腔の粘液と生えているせん妄の動きにより吸った空気を浄化し、鼻腔内のヒダ(鼻甲介)により肺への空気を加温・加湿調節し、肺の中に吸い込まれた空気中に含まれる酸素が血液に効果的に拡散できるように空気の流量をコントロールする機能をもちます。”口呼吸によって、ウィルスなどを含んだ空気が直接体内に入ってしまうと、病原体の影響をストレートに受けて風邪を引きやすくもなります。また、口の中が乾燥すると唾液での自浄作用が弱くなり、虫歯や歯周病にもなりやすく、口臭がひどくなることもあります。”



いびきがわかったらそのままにせずすぐに病院へ

いびきは睡眠中に鼻腔、咽頭、喉頭からなる上気道とよばれる部分の一部が睡眠時に正常の状態より狭くなった場所を、息が通過するときに生じる音のことをいいます。

<いびきの原因>

01.上気道の狭窄に関連したいびき
習慣的な仰臥位睡眠、肥満、小下顎、下顎後退、アデノイド・口蓋扁桃肥大、鼻閉(鼻中隔湾曲、鼻アレルギーほか)、上咽頭・中咽頭腫瘍

02.全身性疾患に関連したいびき
甲状腺機能低下症、高度肥満症、先端巨大症、好酸球性副鼻腔炎、(加齢)、(閉経)
03.薬物に関連したいびき

アルコール飲用、睡眠薬、精神安定剤の使用

いびき女子、というこの本のタイトルの通り、いびきは女性でも起こります(ナステントの調査では、女性の3人に1人以上がいびき経験者です)。たとえば子供のころからいびきをかいている方や、若くて痩せているにもかかわらずいびきをかく方は、下顎が小さい、いわゆる「小顔」が原因になっている場合もあります。

いびきの治療は症状や目的によりさまざま

いびきの治療は睡眠時無呼吸症混群(SAS)のような症状でない場合は、その人の状態に応じて、治療法や選択肢も複数存在します。その選択肢の中には、例えば肥満対策や寝る時の体制や枕を変えることなど、毎日の生活の中での対処で改善されることもあります。



”いびき治療の第一段階では、鼻詰まりの原因となっている症状を抑える薬を使いますが、薬で解消されないケースでは、鼻の通りを良くするための手術も考えられます。手術は、日帰りで手術時間も短く、レーザーやラジオ波を使い、身体への負担も少なくてすみます。”

”それらの手術とは別に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の場合、寝ているときに鼻から空気を送り込み、いびきの症状をやわらげるCPAP治療、あごを数ミリ前に出して固定させ、気道を広げるマウスピース治療などもいびきの代表的な治療です。
そのほか鼻が曲がっていたり、口蓋垂(のどちんこ)がかなり大きい場合などには切開をするする手術を行う場合もあります。”



睡眠時無呼吸症候群(SAS)には2つのタイプがあります

”睡眠時無呼吸症候群(SAS)は呼吸ができない状態と、良質な睡眠がとれない状態を併せ持つ病気です。睡眠中に呼吸が止まってしまう原因は大きく分けて二つあります。上気道に空気が通るスペースがなくなり呼吸が止まってしまう閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)タイプと、脳からの呼吸の指令が出なくなる中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)タイプです”

OSASタイプは呼吸を再度始めたときに大きないびきを伴います。SAS患者さんの大部分がこのタイプで、一般的にはSAS=OSAsタイプといえるでしょう。中枢性タイプは気道は塞がっていないのでいびきの症状がないのが特徴です。睡眠時無呼吸症候群の患者さんの中に数%存在します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が起こす危険な病気や健康に与える影響とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって「間欠的な低酸素血症」と「睡眠の分断による交感神経の亢進」の二つが循環器系に影響を与えます。
”「間欠的な低酸素血症」とは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)により体内で一時的に低酸素血症を起こし、繰り返します。これにより血管が障害され、体に炎症を起こし、脳や認知機能にも悪影響が起こすと考えられています。”



「睡眠の分断による交感神経の亢進」とは、通常寝ている間は副交感神経が優位になり、体を休めて回復させるように働きます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)による無呼吸から呼吸が再開するとときに、体は眠っていても脳が起きてしまい、睡眠が分断され、交感神経が夜も活発化し、血管は睡眠中もフル稼働を強いられぼろぼろの状態となります。これらの働きにより、血管が蝕まれ、高血圧になり、動脈硬化から心筋梗塞や脳卒中になってしまうリスクが増大します。”

最後に

睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって「間欠的な低酸素血症」と「睡眠の分断による交感神経の亢進」の二つが循環器系に影響を与えます。
”「間欠的な低酸素血症」とは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)により体内で一時的に低酸素血症を起こし、繰り返します。これにより血管が障害され、体に炎症を起こし、脳や認知機能にも悪影響が起こすと考えられています。”



いびきは、加齢や肥満、疲れなども関わっており、生活習慣病とも重なり合っているところが多い症状です。自分だけではなく、家族やパートナーの健康管理という観点からも、いびきをかいていることがわかったら、体からなにかサインがでていると考えて、決してそのまま見過ごさないようにしましょう。また、最後の舌を大きく使ったいびき対策体操も見逃せません。対処方法もわかりやすく、いびきかもと思ったら男女問わず気軽に読んでいいただきたい一冊です。

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