第八夜「ママ、やっぱり言うよ!」再婚を検討中・博司(後編)第八夜「ママ、やっぱり言うよ!」再婚を検討中・博司(後編)

たった今開店したばかりのスナックいびき。待ってましたと言わんばかりのタイミングで扉が開き、ママは視線を向けた。

「あら、博司さん。いらっしゃい」

博司はスナックいびきの常連だ。一度離婚歴のある彼だが、昨年同じ境遇の女性と知り合い、今年に入ってからは結婚を前提にした同棲生活を送っている。
ところが、同棲を始めたところで思わぬ事態が発生した。交際相手の亜由美のいびきがひどく、博司は慢性的な睡眠不足に陥り、眠気と疲れから仕事でミスをするまでになってしまったのだ。

前回博司が店に来たときに相談を受けたママは「いびきのことを伝えて彼女を傷つけたくない」という博司の訴えに対して、相手にそのことを伝えずに実践できる対処法を教えた。

カウンターの定位置に座った姿をたしかめると、ママはおしぼりを置いた。
あれから一週間。こんな時間から博司が店に来るのも珍しいが、何か変化はあっただろうか。

「いつもので」

その声には、前回のような悲壮さは漂っておらず、普段と変わらなく聞こえた。
ママが手早く焼酎のロックを作ってテーブルに置くと、博司はすぐにグラスに口をつけ、唐突に切り出した。

「ママ、俺、やっぱり言うよ!」
「それって、彼女のいびきのこと?」
「うん。この一週間、ママに教えてもらったことをいろいろ試してみたんだ。でも、結局彼女のいびきはあんまり良くならなくて」

そこまで言ったところで、博司は表情を曇らせた。

「ママ言ってたよね? いびきの裏にはなにか体のトラブルが隠れているかもしれないって。それを聞いてから、俺、亜由美ちゃんの身体が心配になってきちゃって」 「そうね。もし言えるんなら、絶対そうした方がいいわよ」
「でも、どう切り出したらいいのかわかんなくて……。前も言ったけど、亜由美ちゃんのことをなるべく傷つけたくないんだ。だからさ、申し訳ないんだけど、また相談にのってもらっていい?」
「なーに寝言みたいなこといってんのよ。当たり前でしょ!」
「ありがとう、ママ」

涙をこぼさんばかりの勢いで感謝する博司を見て、ママは柔らかな笑みを浮かべてから口を開いた。
「ここからは居眠り禁止よ!」

ママの言葉を聞いて、博司は慌てて愛用の手帳とペンを取り出す。
「まずは、アプリを使って今のいびきの状態を客観的に伝えるのはどうかしら」

アプリを使っていびきの現状を客観的に伝える方法

アプリを使っていびきの現状を客観的に伝える方法

自分のいびきに気づいていないベッドパートナーの体のことが心配だから、いびきのことを知ってもらい、健康のために医療機関を受診して欲しい。そんなときに、いびきの状態を客観的に伝えられるのが、いびきを録音するアプリです。
例えば、まずは自分の寝息をアプリで録音するところをパートナーに見せて、翌日に録音の結果を一緒に聞き、次のステップとして「今度は一緒にアプリを使って録音してみよう」と、相手を誘ってアプリを使うのはいかがでしょうか。

自分のいびきを知ることができる「いびきラボ-いびき対策アプリ」

「いびきラボ – いびき対策アプリ」を使うと、いびきを録音するのはもちろん、いびき対策に役立つ情報を入手することも可能です。

  • 寝る前にスタートボタンを押すだけでいびきの録音と測定ができます
  • 録音した音はグラフ化されるので、どの時間帯にどのくらいのいびきをかいていたのかが一目で分かります
  • 複数の夜間を通していびきの比較をすることが可能です
  • 医師への相談の際にも活用することが可能です
  • 試したいびき対策の効果を確認できます

「へえ、こんなアプリがあるんだ! さっそくダウンロードしてみるよ。でも、アプリでいびきの事実を伝えられたとして、そのあとどんなフォローしたらいいんだろう。これだけだと彼女を傷つけちゃいそうで……」
「たとえば、“いびきの事実”を伝えるっていう手があるんじゃないかしら。女性のいびきについて興味深いデータがあるから教えてあげるわ」

知ってる? 女性のいびき

女性のいびきには、実は女性特有の原因があります。女性は年齢が上がるにしたがっていびきをかくことが増えます。これは女性ホルモンの減少が原因です。女性ホルモンには舌を支える筋肉を緊張させ、気道を空気が通りやすくするはたらきがありますが、更年期をむかえて女性ホルモンが減少すると、舌を支える力が弱まり、気道が狭くなっていびきをかくようになるのです。
また、ナステント株式会社が行った調査によると女性の35%、つまり3人に1人がいびきをかいていると報告されています。 男性に比べて、いびきを自覚する女性は少ないですが、女性のいびきは決してめずらしいことではないと分かります。

「へえ、女性でもいびきをかく人ってけっこういるんだね! 知らなかったよ」
「女性もいびきをかく人が多いから安心、っていうことではないけど、自分だけが特殊なわけじゃないって分かれば、少しは亜由美さんの気持ちも楽になるんじゃないかしら。それから、これは博司さんへのアドバイス。別の調査によると、人のいびきを気にしたことがある人は40%もいるそうよ。だから、亜由美さんのいびきが気になることも特殊ってわけじゃないから、自己嫌悪で自分を追い込んだりしちゃダメよ」

ママの言葉に、博司は大きくうなずいた。

「そう言ってもらえて気持ちが楽になったよ。ありがとう、ママ」
「どういたしまして。それにね、仲良し夫婦でも睡眠中の悩みは多いみたいなのよ。たとえば、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アメリカの夫婦の4組に1組が別々のベッドで寝ているらしいし、あるマットレス・ストアが行った3000人を対象にした調査では、31%の回答者がベッドを分ける “Sleep Divorce (睡眠離婚)” をしたいと答えたそうよ」

いびきを止める方法いびきを止める方法

「ベッドパートナーのことで悩んでいるのって、俺だけじゃなかったんだ」 「万国共通の悩みみたいね。フランスだと、寝室が分かれることが離婚につながるケースもあると聞くから、そうならないためにも亜由美さんにしっかりいびきのことを伝えなくちゃね」

『離婚』という単語に博司は一瞬青ざめたが、決意を新たにするかのようにグラスの中身を一気に飲み干すと、テーブルの上で手帳とペンを握りしめた。

「本当に大切な人だから、亜由美ちゃんと一緒にがんばっていく! いびきのこともちゃんと2人で乗り越えて、正式に結婚の話を伝えたいんだ」
「博司さんと亜由美さんならきっと大丈夫。これからも何か悩むことがあったらいつでもお店に顔を出してちょうだい。」
「本当に心強いよ。ありがとう、ママ!」

こうして今日もまた一人、いびきに悩む子羊が「スナックいびき」の名物ママによって救われたのだった。

それではみなさま、どうぞ良い夢を……。

いびきや睡眠時無呼吸症候群について気になる方は、専門の医療機関を受診してください。
ナステントの処方指示書も発行できる全国の医療機関はこちら

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