コラム
鼻づまり(鼻閉)の原因と解消法~鼻づまりで眠れない方へ~
鼻づまりが睡眠の質を低下させてしまう!?
鼻づまり(鼻閉)で眠れない、眠れたけどなんとなく熟睡した気がしない、起きてみたら「体がだるい」「疲労感が抜けない」「頭がぼんやりする」そんな方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?なかには、花粉症の季節に特にそう感じるという方もいらっしゃるかもしれません。
最近、鼻が睡眠の質に大きくかかわっていることが注目されています。鼻の通り道が塞がれてしまう、つまり鼻づまりになることで睡眠障害が引き起こされ、先ほどのような体のだるさや疲労感につながっているというのです。
そもそもなんで鼻づまりは起きるの?
鼻づまりには様々な原因がありますが、大きく分けると、「鼻粘膜が腫れる」ことによるものと、「器質的なもの(鼻腔の形など)」に分かれます。
1. 鼻粘膜の腫れによるもの
主にかぜなどによる急性鼻炎、アレルギー性鼻炎(花粉症も含みます)にかかると、鼻粘膜が腫れます。また、かぜで副鼻腔炎になると鼻水が黄色くなり粘度が高くなってきます。それにより鼻の通り道が狭くなり、鼻づまりが起こります。
2. 器質的なもの
・鼻中隔湾曲症
左右の鼻腔を分ける「鼻中隔」が左右どちらかに大きく湾曲していることにより、慢性的に鼻の通り道が狭くなります。
・アデノイド
鼻の奥にあるアデノイドという部分が肥大すると鼻の通り道が狭くなります。
・鼻腔のできもの(鼻茸など)
副鼻腔炎が長引いたりすると鼻腔の粘膜にポリープができて、それが鼻の通り道を塞ぐことがあります。
鼻づまりでどんな症状が出るの?
睡眠中に鼻づまりになると、下記のような問題が起こりやすくなると言われています。詳しくは、「隠れ鼻づまりの原因と対策」をご覧ください。
1. 睡眠の質が悪くなる
鼻づまりになると、鼻を空気が通りにくくなるために、息苦しさから眠れなかったり、眠りが浅くなってしまいます。また、体内に酸素を十分に取り込めないため、血液が酸素不足の状態になります。そのため、朝起きても「体がだるい」「疲労感が抜けない」「頭がぼんやりする」といった症状が現れてきます。
2.口呼吸になるため、喉が痛くなったり風邪にかかりやすくなったりする
3.いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状を引き起こす
このように、鼻づまりを放っておくと体に大きな負担が生じ、様々な病気を引き起こしてしまう可能性があります。
鼻づまりの症状を和らげるには?
鼻づまりがひどい場合には、まず耳鼻咽喉科等にかかり、原因となる病気の症状を和らげることが大切です。その上で、自宅でもできる、鼻づまりを即効で解消する(軽減する)方法をお伝えします。
(1)鼻を温める
鼻の血行が悪くなると鼻粘膜に血液がたまり、鼻腔を狭めます。鼻を温めることで血行を改善し鼻腔を広げられるため、即効性のある改善が期待できます。
温かいタオルを鼻の上にあてることが一番簡単です。温かいお茶を飲むことも同様の効果が期待できます。
(2)首を温める
首周りには太い血管が通っているため、シャワーで熱めのお湯をかけると、顔周りの血行がよくなり、鼻づまり症状の改善が期待できます。
(3)わきの下を圧迫する
つまっている鼻の反対側のわきの下を圧迫すると、鼻の通りが良くなることが知られています。わきの下を圧迫すると、圧迫したわきと反対側の交感神経の活動が活発になります。交感神経の活動が活発になると、鼻粘膜の血管が収縮し、鼻腔が広がることで鼻づまりが緩和すると考えられています。
(4)鼻うがいをする
鼻うがいも、鼻づまりの解消・軽減につながります。
粘度の高い鼻水や、アレルギーの原因物質、雑菌、ウィルス等、鼻づまりの原因となる物質を洗い流すことによって鼻づまりの改善が期待できます。
スタッフが鼻うがいを使ってみて、そのコツを書いた記事がありますので、そちらも参考にしてみてください。
(5)外科的治療
器質的に鼻の通り道が極端に狭くなっている場合には、外科的治療が必要な場合もあります。詳しくは耳鼻咽喉科に相談してください。
(6)鼻チューブ
鼻の通り道が狭い場合、鼻チューブを使って物理的に鼻の通り道を確保する方法も有効です。次の章で詳しく説明します。
【鼻づまりなど、上気道の閉塞は鼻チューブで対応】
鼻チューブは、柔らかい医療用のチューブを鼻に挿入することで、物理的に空気の通り道を確保する医療機器です。このチューブによって、鼻づまりや、鼻の奥にある柔らかい部分(軟口蓋)の落ち込みによって狭くなった気道を、物理的に広げることができます。
鼻づまりは、鼻水が固まることによって空気の通り道を狭くしたり塞いでしまう現象です。それであれば、チューブを通すことで狭くなった空気の通り道を広げてあげようというのが鼻チューブの発想の原点です。
この鼻チューブを挿入することで、睡眠の質の改善、鼻呼吸の促進、いびきの改善などにつながります。
ナステントは主にいびきの症状緩和のために使われている方が多いですが、発想の原点は鼻の空気の通り道を確保することですから、いびきをかいていない方でももちろんお使いいただけます。
鼻チューブの入れ方のコツ
はじめは鼻腔の途中までは通る鼻と同じように入って行きますが、行き止まりのようなところがあります。少しずつ角度を変えたりしながら通る場所を探っていると「グッ」と先に進めるポイントがわかります。ゆっくりと少しずつ押し込むような形で通します。私の場合は「コツン、コツン、グッ」というような感覚で入れることができました。通る方と違い、鼻腔内を探るような形になるので若干刺激があります。そのため鼻チューブを入れてもくしゃみ・鼻水・涙などが出ない状態になってから試されることをオススメします。
また鼻からの気道は目の下を通りながら、耳の方に向かって進むということをしっかりイメージしてください。鼻から挿入して上の方に進むイメージで挿入し続けると、気道の上(イメージ的には目の下あたり)をつついてしまうと反射でくしゃみ、鼻水などが出ます。自分の体の構造をしっかりと理解することで、痛みを避けることが可能になります。
もちろん、鼻中隔の湾曲は人によって異なりますので、鼻チューブが意外なほどスムーズに入る方もいらっしゃると思います。しかしながら「通りの悪い方から鼻チューブを挿入すること」は鼻チューブに慣れないうちはお止めください。問題なく鼻チューブを挿入すること、そして違和感に慣れることをまず優先してください。詰まっている方からチャレンジすることは、初見のゲームをハードモードでスタートするようなものです。まずはイージーモード、ノーマルモードで鼻チューブがどのようなものか知ることからスタートしてください。
※非常に強い痛みを感じるようでしたら鼻づまりの症状も含め耳鼻科にご相談ください。
鼻づまりによる昼間の気道閉塞の対策としても
上気道の閉塞をサポートする鼻チューブですので、軟口蓋の落ち込みなどによる閉塞はなくても鼻づまり(鼻腔の閉塞)にもご利用いただけます。つまり鼻チューブは昼間でも気道の確保に使えるということです(連続10時間使用可能)。
昼間、鼻が詰まってボーっとしたり、目の辺りが重かったり、マスクをしていて口呼吸になっている時などに鼻チューブを利用されている方は多くいらっしゃいます。この時は、起きているので軟口蓋の落ち込みを抑える必要はない(いびきをかいているわけでない)ので、鼻チューブの長さは125mm(小顔の方は120mm)が適切だと思います。硬さは柔らかい方(Soft)で大丈夫です。詳細は医師とご相談ください。
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