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スタッフコラム


夜中に何度も目が覚める。原因はいびきかもしれません

どうして何度も目が覚めるのか

みなさんは、夜中に何度も目を覚ましてしまうことがありますか?あるいは、寝入りばななどに自分のいびきで目を覚ましてしまうことがありますか?

寝ている間に何度も目が覚めて、その後なかなか寝付けない状態を「中途覚醒」といいます。
原因としてもっとも挙げられるのが高齢者の方など、加齢によって眠りが浅くなることだといわれています。他にもストレスや膀胱容量の減少などもその原因とされています。
また「寝酒」という形でアルコールを摂取すると、その利尿作用で尿意を感じ夜中に目が覚めます。さらに原因として考えられるのが病気(脳変性疾患、うつ病、腎機能障害などの全身性疾患、睡眠時無呼吸症候群、ムズムズ脚症候群など)です。

家族の話で恐縮ですが、私の父は何度も夜にトイレに行っていました。ストレスで眠れず寝酒を飲んで寝る→尿意で起きる→寝付けない→お酒を飲む→寝る→尿意で起きるという悪循環に入っていたようです。
私が大学の受験勉強をしていた時だったので、ちょうと働き盛り、ストレスもそれなりにあったようです。そんな父は現在70代後半。仕事は引退し、お酒も減らし、特に寝酒はやめました。昔からすると健康的な生活をしていますが今も夜何度も目が覚めるようです。トイレに行っても尿はでないのに夜何度も目が覚めてしまうと悩んでいます。加齢も原因ではないかと本人は言っていましたが…。

父との会話。最近スマホでメッセージを送れるようになりました。なぜかデスマス体がまじり、顔文字のチョイスが不思議。腰が痛いのを老眼で腹が痛いと読み間違えています。コルセットを送ってほしいという内容に、唐突に夜間頻尿の話が入ります。

夜に何度も目が覚めるもう一つの理由は「いびき」

夜に何度も目が覚める(=中途覚醒の)原因を上記でいくつか紹介しましたが、実はいびきもその原因となりうるのです。

1つ目は、父の中途覚醒の直接の原因である夜間頻尿が、実はいびきによって引き起こされているのかも、ということです


気道が圧迫されることによる高いびきと無呼吸は、正常な胸腔内圧を狂わせると同時に低酸素血症になります。低酸素血症は、呼吸性アシドーシスと呼ばれ、夜間に血液がやや酸性にかたむきます。このような状態になると交感神経が緊張し、喉が渇く、脈が増える、汗をかくなどの緊張状態が生じます。こういった状態が毎晩続くと、心臓の右心系へ負担が掛かります。放置しておくと、左心系にも負担がかかり、心不全へと発展していきます。
心不全に至る前、右心系への負担が続くと、心臓はしんどい、しんどいといって、身体の水分を外へ出そうとします。即ち、心臓は尿をたくさん出して、しんどさから逃れようとするのです。そうすると尿意で目が覚めます。これが夜間頻尿です。中途覚醒、頻尿は睡眠を妨げますが、心臓の立場からすると身体に良いことになります。しんどくなると心臓から利尿ホルモンが放出され、夜間にたくさんの尿を作るわけです。(明神館クリニックHPより引用)

私はいびきをかくということは何回か記載しているのですが、実は父もひどいいびきをかいています(骨格が似ているのかも…)。夜に何度も目が覚めるのは、「いびきによって低酸素の状態になり、心臓がそのしんどさから逃れるために尿をたくさん出そうとし、それにより尿意が催される」ためかもしれません。

2つ目は、自分のいびきの音で目を覚ましてしまうというもの。

気道が圧迫されて狭くなると、いびきが起こり、ひどくなると呼吸が一定時間止まる睡眠時無呼吸症候群を発症します。狭くなった気道を空気が何とか通ろうとすると、楽器のように音が鳴ってしまいます。これがいびきです。
特に、後に説明するように、軟口蓋(上あごの奥の柔らかい部分)や舌の付け根が落ち込むことにより気道が極端に狭くなったり一定時間塞がった後に、空気がそこをこじ開けて流れ出すときに、「ガガ」という大きな音がします。この音で目が覚めてしまうのです。
気道が狭くなると、寝ている間中何度も何度もこの状態を繰り返します(ひどいと1時間の間に数十回この状態を繰り返します)。そして、何度もこの自分のいびきの音で目が覚めてしまい、しまいにはなかなか寝付けなくなる。こうして自分のいびきの音によって中途覚醒が起こります。

思い当たるようだったらぜひいびきチェックをしてみてください

自分がいびきをかいているかは下記のようなアプリで確認することができます。様々なアプリがありますので、自分にあったものを見つけてみてください。

いびきラボ

いびき対策アプリ (SnoreLab)

時に「激しいいびきをかく」「睡眠中に呼吸が止まる」などの症状を持つ人は、無呼吸による低酸素状態となります。 睡眠中に低酸素状態になる、呼吸が止まることによる血中酸素濃度の低下などで身体に大きな負担がかかります。
この状態が繰り返し続くと十分な睡眠が取れないため、夜に目がよく覚める(中途覚醒)だけでなく、「日中の強い眠気」や「倦怠感」「起床時の頭重感」「集中力の低下」を引き起こします。また疲労の回復も遅くなるため、自律神経にも影響を及ぼします

いびきの仕組み

いびきの原因は飲酒による筋肉の弛緩、肥満による気道の狭まり、睡眠時の姿勢の悪さ、加齢による筋力の低下、アレルギー性鼻炎、アデノイドや扁桃腺肥大、鼻が詰まるなどの鼻の病気など多岐にわたります。しかしながらいびきをかくポイントは大きく3つに大別されます。

(1)軟口蓋(上あごの奥にある柔らかい部分)の落ち込み
(2)気道の内側に脂肪がつくことによる閉塞
(3)舌根沈下(舌が奥に落ち込むこと)

いびきを改善したいと思ったら

いびきを改善するには、狭くなった気道をなんとか広げて、空気の通り道を確保しなければいけません。生活習慣の改善などで肥満を改善する、というのも一つの方法です。

一般的ないびきの原因や改善方法はこちらで説明しています。

しかし、一度狭くなった気道を広げるのは、なかなか容易ではありません。そこで何らかの器具や医療機器の助けを借りて気道を広げることを試みます。

気道を確保するためには様々な対処方法があります。枕やマットレスを工夫するなどの方法や睡眠検査を経てCPAP療法などを適用される場合もあります。

先日NHKで「いびき対策チューブ」として紹介されたナステントは、口蓋垂(のどちんこ付近)まで達することで、上気道の間に空気の通りを確保。睡眠時の鼻呼吸をサポートします。万が一口蓋垂が落ち込んで、ナステントが潰れても、ナステントと上気道との間に隙間ができますので、完全に閉塞してしまうことはありません。気道を確保することによりいびきの振動音を低減させ、いびきの防止や軽減に役立ちます。

最後に、「中途覚醒かも…」「夜間頻尿がひどい」と思ったら自己判断はやめ、まずはお医者様にご相談されることをお勧めいたします。

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