コラム
ナステントの仕組みを他のいびき対策グッズと比較しながら解説!
いびき対策のための一般医療機器「ナステント」にご興味を持っていただきありがとうございます。今回は、改めてナステントがどのようにいびきに作用するのかを、他のいびき対策グッズや睡眠時無呼吸症候群用の医療機器との比較も含めてご紹介します。
なお、この情報はあくまでも作用の原理を説明したもので、優劣をつけたりすることが目的ではございません。いびきで悩まれている方は、自分で判断せず、医療機関に相談されることをお勧めいたします。
1.ナステントを購入する際に比較検討したものは?
ナステントを購入する際に、他の方はどのようなものと比較検討されたのでしょうか?過去の自主調査結果によると、ナステントを購入する際に比較した対策として最も多いのが「口呼吸防止テープ」でした。
ナステント株式会社自主調査
過去ナステントをご購入いただいたお客様(N=84)
2.そもそも、いびきってどうして起こるの?
ナステントがどのようにいびきに作用するかを説明する前に、今一度いびきが起こるメカニズムについておさらいしましょう。
いびきは睡眠時に、上気道が狭くなる又は閉塞することにより発生します。上気道は、顔の骨格や加齢によって、軟口蓋という組織が落ち込むことにより、狭くなったり、閉塞します。また肥満によっても狭窄、閉塞は起こります。狭いところを空気が通ろうとすると空気抵抗が大きくなり、呼吸をしたときに粘膜が振動して音が生じます。この振動音が「いびき」です。
3.ナステントは、どうやっていびきの軽減に作用するの?
ナステント(一般名称は鼻チューブ)の原理は簡単です。先ほど、いびきは上気道が狭くなったり閉じてしまうことによって発生する、と説明しました。狭いところを空気が通る時の粘膜の振動が「いびき」です。であれば、上気道が狭くなったり閉塞した場所を広げてあげればいいのでは?
そうです、まさにシリコンのチューブによって、鼻の奥の上気道が狭くなった部分をこじ開け、空気の通り道を確保してあげるのがナステントです。
じつは手術の際に、お医者さんが(麻酔中の)患者さんの鼻にカテーテルを入れて呼吸をサポートすることは良く行われています。これを、麻酔をしていないときにご自身でも鼻に挿入できるように改良されたものがナステントなんです。
ナステントによって上気道の狭まりが緩和されることで、いびきの低減が期待できます。
ナステントは筑波大学やスタンフォード大学等の先生方をアドバイザリーボードに迎えて開発され、臨床試験によって効果の実証もされています。製品についての詳細はこちらをご覧ください。
4.口呼吸防止テープとナステントは、全く別の働きをするもの
ナステント購入の際に、一番比べられていたのが口呼吸防止テープ。それでは、ナステントと口呼吸防止テープはライバルなのでしょうか?
答えは、「いいえ」です。
過去の記事にも書いているように、口呼吸防止テープとナステント(鼻チューブ)は、全く別の働きをするものです。口呼吸防止テープ(もしくは鼻呼吸テープと呼ばれることもあります)は、口にテープを貼ることにより口を強制的に閉じ、睡眠時の鼻呼吸をうながす、というシンプルなものです。
一方ナステントは、先ほど見た通り、鼻からシリコンチューブを挿入することで、軟口蓋(鼻の奥の柔らかい部分)の落ち込みなどで狭まった上気道を広げ、空気の通り道を確保するものです。
口呼吸防止テープには、上気道を広げる作用はありません。したがって、いびきがひどい方や睡眠時無呼吸症候群の方が口呼吸防止テープのみを使うと窒息する可能性もあり、危険です。
何らかの方法で鼻の空気の通り道を広げた上で、口を閉じることで鼻呼吸を促進するために使う、という方法が効果的だと思います(鼻の空気の通り道を確保しただけで自動的に鼻呼吸になるわけではないため)。
ナステント社でも、アトメンという口呼吸防止テープを開発し、販売していますのでナステントと併用するのもお勧めです。
5.鼻呼吸対策グッズとの違い
比較対象の5位にランクインしてるのは「鼻呼吸対策グッズ」。
実際、鼻呼吸テープなどの鼻呼吸対策グッズとナステントとの違いについてよく聞かれます。
鼻呼吸テープは鼻の上に貼ることで鼻腔を広げて、呼吸を楽にしようとするものです。この作用のためにスポーツの時にされている方もいらっしゃいますね。
先ほどの説明の通り、いびきは軟口蓋(鼻の奥の柔らかいところ)が下がってきてしまったり、肥満で上気道が狭まってしまったり、舌の付け根が落ち込んだり、といった要因で空気の通り道が狭くなることで発生します。
残念ながら、鼻呼吸テープを鼻の上から貼ってもこれらの閉塞・狭窄部分を広げることはできません。医療機器ではありませんので、あくまでも簡易的な対策と考えるのが良いかもしれません。
6.枕はなんでいびきに有効なの?
比較対象の4位は身体にあった枕。
枕は身近なものですが、なぜこれがいびきに効くのでしょうか?
他の記事にも書いているように、先ほどの軟口蓋や舌の付け根は重力によって落ち込んで上気道を塞ぎます。それであれば横向きに寝るなど、落ち込む方向をうまくコントロールできればいびきは減るのでは?
そうなんです、枕によって軟口蓋や舌の付け根の落ち込む方向をコントロールすることで、いびきが減るのです。ただ、人は寝返りを打ってしまうので、どうしても寝ている間中ずっといびきをかかないようにすることは難しいようです。
横向きでもいびきをかいてしまう問題については、こちらに書いてあります。
7.CPAPってどんなものなの?
比較対象の3位はCPAP(シーパップ)。
CPAPは睡眠時無呼吸症候群の患者のための医療機器です。中程度の症状になると保険適用になりますので、そのような方にとっては治療の第一選択肢になると思います。
原理はこれも簡単で、空気を継続的に送り込むことで先ほどの閉塞部分をこじ開けようとするものです。じつはナステントもチューブで物理的に閉塞部分をこじ開けようとしているという意味では、似ていますね。
CPAPの治療にかかる料金などはこちらをご覧ください。
8.マウスピースってどんなものなの?
比較対象の2位はマウスピース。
マウスピースは、口にはめることで下あごを前方に固定することで舌の付け根を前に出し、空気の通り道を確保しようとするものです。主に舌の付け根が落ち込んでいる場合(舌根沈下)には有効です。CPAPが保険適用にならなかった軽度の睡眠時無呼吸症候群の患者さんに処方されることが多いようです。いろいろな種類がありますが、一部の方式は保険適用になります。
じつはマウスピースとナステント(鼻チューブ)は、同じくいびきの軽減に役立つものの、得意とすることが違います。
ナステントは鼻からチューブを挿入するので、軟口蓋の落ち込みによるいびきには有効ですが、チューブが舌の付け根までは届かないため、舌根沈下にはあまり効きません。
一方マウスピースは、下あごを前に出すため舌根沈下には効くものの、軟口蓋の落ち込みには効きません。
マウスピースは一点一点作るため、費用と時間がかかり、手軽に始められない点もデメリットとして挙げられます。
9.まとめ:どうやって選んだらいいの?
ここまでナステントを含めいろいろないびき対策の方法を見てきましたが、それぞれの違いはなんとなく伝わりましたでしょうか?
さて、残る問題はいったいどう選べばよいのか、ということ。
まずは、いびきと思っていたけど睡眠時無呼吸症候群かも、というような方は一度医療機関を受診することをお勧めします。中程度以上の症状があればCPAPで保険適用になるかもしれません。
ナステント(鼻チューブ)とマウスピースは、先ほど見たようにそれぞれ得意・不得意があります。
結局のところ、いびきと言えども人それぞれ。まずは医療機関を受診することが一番ではあります。が、その一歩を踏み出すのは難しいという方は、まずはオンラインで注文できる鼻チューブを試してみる、というのも良いかもしれません。
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