コラム
鼻いびきの原因と鼻いびき対策
鼻づまりなどが原因の「鼻いびき」
「いびき」って実は皆さんが思ってるよりも複雑なんです。「上気道が狭くなって、空気が通るたびに喉(のど)の粘膜が震える振動音」これがいびきのメカニズム。そして「いびき」は喉だけでなく、鼻でもこの現象は起こります。これを「鼻いびき」と呼んでいます。何らかの原因で鼻の気道部位が狭くなり、そこを空気が通ることにより振動音が発生します。
鼻いびきと喉いびきの見分け方
鼻いびきと喉いびき、どうやったら見分けられるのでしょうか?まず、鼻の奥の方が鳴っているな、と思ったら鼻いびきの可能性が高いです。でも寝ていたら自分ではわからないですよね。その時は、起きているときに観察してみましょう。鼻いびきをしている方は、普段から鼻息が荒かったり、何かの拍子に鼻が鳴ったりしやすいので、気にしてみるとよいかもしれません。
もう一つの方法はもう少し確実性が高まります。誰かに協力してもらわないといけないのですが、いびきをかいた瞬間に鼻をつまむ方法。これでいびきが止まったら鼻いびきの可能性が高いです。
口を閉じているのにいびきをかいている場合も、鼻いびきの割合が高いです。ただし、睡眠時無呼吸の患者さんの中には口を閉じているのに喉いびきをかいている場合もあるので、素人判断は危険です。その場合はお医者さんへの相談をお勧めします。
ちなみに、鼻いびきと喉いびきの音の違いで見分けられないかと聞かれることもあるのですが、これはちょっと難しそうです。基本は笛のように気道の狭いところを空気が通る時の振動音がいびきであるわけですが、鼻も喉も別に違う素材で器官ができているわけではないからです。
鼻いびきの原因
鼻中隔が強く曲がって(湾曲して)いる「鼻中隔湾曲症」や、花粉症などの「アレルギー性鼻炎」「慢性副鼻腔炎」などによって鼻粘膜が腫れて鼻の中が狭くなることで鼻づまりが起きやすくなります。また、日中は鼻づまりがないのに、夜だけ鼻づまりが起こる「隠れ鼻づまり」の場合もあります。これは、鼻の粘膜に無数にある血管が、昼は交感神経が活性化されているために収縮しているのに対して、夜に副交感神経が優位になると血管が緩んで鼻粘膜が腫れたようになることで鼻づまりが起きやすくなるものです。
鼻が詰まると、炎症で鼻の中が狭くなっているのに輪をかけて鼻の中の気道がとても狭くなり、空気が通る時に振動音が発生します。こうしていびきをかくようになってしまうのです。
鼻いびきを治すには?
この鼻いびきの対策として、耳鼻科での治療が非常に効果的です。花粉症などの「アレルギー性鼻炎」や「慢性副鼻腔炎」などがある方は、まずその症状をある程度改善するよう、耳鼻科で治療をしてもらいましょう。
隠れ鼻づまりについても、テレビで放送されていたように朝の日光を浴びるなど日常できることをやりながらも、一度耳鼻科で診てもらう方が良いでしょう。
また、鼻づまりを起こす要因となるアルコール摂取を控えたり、鼻の粘膜を刺激するたばこを控えたりして、鼻の気道が狭くならないような工夫も必要です。
そのほか、喉いびきにも有効な一般的ないびき対策も有効です。そちらについては別の記事にまとめてありますのでご覧ください。
気になるいびきの治し方
鼻いびき対策の一つの事例
私もいびきの悩みを持っており、「鼻中隔湾曲症」と「アレルギー性鼻炎」の両方の症状があります。耳鼻科の先生に相談したところ、私の症状を考慮して鼻チューブの使用を提案されました。鼻にチューブを指すというアドバイスに少なからず恐怖と抵抗はありましたが、実際に潤滑剤(ジェル)に覆われたチューブを触ると柔らかく、最初は鼻の通りが良いほうで鼻チューブを使用し、鼻チューブに慣れてきたら詰まりがちな方の鼻へと変えることで、より快適な鼻呼吸が可能になりました。また、鼻の空気の通り道が広がったことにより鼻いびきがかなり解消されました。(いびきアプリで測った結果はこちら)
物理的にチューブによって空気の通り道を確保するので、鼻いびきに対する即効性のある対策としてもお勧めできると思いました。
鼻づまりからの鼻いびきが気になるようでしたらぜひ耳鼻科にご相談されることをお勧めいたします。
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※症状によっては鼻チューブを使用することが難しい場合もございます。ご了承ください。【鼻腔も軟口蓋の落ち込みも上気道の閉塞は鼻チューブで対応】
なおアレルギーやお酒の飲み過ぎ、首や肩の凝りなどで鼻粘膜が充血して腫れている場合は点鼻薬を使うこともあります。それでも痛みを感じるときは使用を止めます。私は右の鼻中隔が大きく湾曲しており、あまり空気が通りません。そこで医師と相談し、まず左で鼻チューブを使用することに慣れた後、右の鼻に挿入するようにしました。(処方指示書には、医師が鼻チューブを左右を購入・使用できるように記入してくれました)こうすることで空気が通りづらい側にまさに「空気の通り道」をつくることが出来ました。
どちらかの鼻で鼻チューブの挿入に慣れてくると、逆の鼻に挿入しても違和感を感じにくくなりますので、慣れてきたらぜひ逆側の使用もご検討ください。
鼻チューブの入れ方のコツ
はじめは鼻腔の途中までは通る鼻と同じように入って行きますが、行き止まりのようなところがあります。少しずつ角度を変えたりしながら通る場所を探っていると「グッ」と先に進めるポイントがわかります。ゆっくりと少しずつ押し込むような形で通します。私の場合は「コツン、コツン、グッ」というような感覚で入れることができました。通る方と違い、鼻腔内を探るような形になるので若干刺激があります。そのため鼻チューブを入れてもくしゃみ・鼻水・涙などが出ない状態になってから試されることをオススメします。
また鼻からの気道は目の下を通りながら、耳の方に向かって進むということをしっかりイメージしてください。鼻から挿入して上の方に進むイメージで挿入し続けると、気道の上(イメージ的には目の下あたり)をつついてしまうと反射でくしゃみ、鼻水などが出ます。自分の体の構造をしっかりと理解することで、痛みを避けることが可能になります。
もちろん、鼻中隔の湾曲は人によって異なりますので、鼻チューブが意外なほどスムーズに入る方もいらっしゃると思います。しかしながら「通りの悪い方から鼻チューブを挿入すること」は鼻チューブに慣れないうちはお止めください。問題なく鼻チューブを挿入すること、そして違和感に慣れることをまず優先してください。詰まっている方からチャレンジすることは、初見のゲームをハードモードでスタートするようなものです。まずはイージーモード、ノーマルモードで鼻チューブがどのようなものか知ることからスタートしてください。
※非常に強い痛みを感じるようでしたら鼻つまりの症状も含め耳鼻科にご相談ください。
鼻いびき・いびきの原因である気道閉塞の対策として
上気道の閉塞をサポートする鼻チューブですので、軟口蓋の落ち込みなどによる閉塞はなくても鼻づまり(鼻腔の閉塞)にもご利用いただけます。つまり鼻チューブは昼間でも気道の確保に使えるということです(連続10時間使用可能)。
昼間、鼻が詰まってボーっとしたり、目の辺りが重かったり、マスクをしていて口呼吸になっている時などに鼻チューブを利用されている方は多くいらっしゃいます。この時は、起きているので軟口蓋の落ち込みを抑える必要はない(いびきをかいているわけでない)ので、鼻チューブの長さは短めの125mmが適切だと思います(小顔の方は120mmでも可)。硬さは柔らかい方(Soft)で大丈夫です。詳細は医師とご相談ください。
鼻のつまりや、上気道の閉塞をサポートする鼻チューブはまさに一石二鳥の存在です。具体的には下記のようなメリットがあります。
まず、寝ている間に鼻が詰まると口呼吸になりやすく、鼻が詰まっている箇所とは別のところでいびきが発生する原因となります。それ以外にも口呼吸は口の中が乾燥したり、口臭や歯周病にもつなががります。また、鼻を通さず空気をダイレクトに触れるので感染症のリスクも高まります。もし「鼻いびき」に悩まれているようでしたら、鼻チューブを選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。もちろん鼻の病気は耳鼻科医に必ず相談してくださいね。
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